【記憶にございません!】ネタバレ感想/記憶喪失の総理が旋風を巻き起こす!ジワジワ笑える政界コメディー

三谷幸喜監督の最新作
『記憶にございません!』

国民から投げられた石が頭に当たり
記憶を失った総理大臣と、
その総理と共に奮闘する個性豊かな人たちを描いた
政界コメディーです。


2006年『THE有頂天ホテル』公開後から企画を温め
構想13年となる作品だそうで。(すごい…)

「もし自分が、ある日突然総理大臣になったら……?」
そんな子どもの頃に誰もが一度は抱いたかもしれない
空想から生まれたオリジナルストーリーとのことです。

今作を観て、
やっぱり三谷幸喜さんの作品はおもしろい!!
と再確認
しました。

観終わった後でもジワジワ来る面白さがあって
ワタガシは翌日も思い出し笑いをしていました 笑

悪徳政治家が主人公の話なので
日本の政治への批判が裏テーマだったりするのかな?
と思いましたが、
作中ではそんな総理の気持ちの変化も描かれているので
政治への希望、も描いているのかもしれませんね。

本当の政治家も裏ではこんな風に
頑張ってるのかな~そうだといいな~とも思ったり。

ちなみに、言うまでもないかもしれないですが
エンターテイメント作品なので、
政治が苦手とか知らない人でも十分楽しめる作品
になっています!


個人的には、総理の直近の秘書官を演じる
ディーン・フジオカさんや小池栄子さんが
総理に心動かされ、変わっていく様がとても好きでした。

三谷幸喜監督作品好きな方はもちろん、
エンタメ作品好きで、ちょっと笑いたいなあと思っている方には
絶対、映画館で見て欲しい作品です!!^^


あらすじ




病院のベッドで目が覚めた男。
自分が誰だか、ここがどこだか分からない。
一切の記憶がない。

こっそり病院を抜け出し、ふと見たテレビのニュースに自分が映っていた。
演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。
そう、なんと、自分はこの国の最高権力者だったのだ。
そして石を投げつけられるほどに……すさまじく国民に嫌われている!!!

部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれる。
「あなたは、第百二十七代内閣総理大臣。
国民からは史上最悪のダメ総理と呼ばれています。
総理の記憶喪失はトップシークレット、我々だけの秘密です」
真実を知るのは、秘書官3名のみ。

進めようとしていた政策はもちろん、
大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、
自分の息子の名前すら分からない総理。
記憶にない件でタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、
記憶にない愛人にホテルで迫られる。
どうやら妻も不倫をしているようだし、息子は非行に走っている気配。
そしてよりによってこんな時に、米国大統領が来訪!

他国首脳、政界のライバル、官邸スタッフ、
マスコミ、家族、国民を巻き込んで、
記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻す!
果たしてその先に待っていたものとは……!?



キャスト


主人公の総理大臣・黒田啓介を演じるのは
三谷作品に多数出演している中井貴一さん。

ワタガシ的には『ステキな金縛り』の
敵の弁護士役が印象に残っています^^
犬のラブと戯れるシーンと言ったら……ねえ!
(観ていない方はぜひ!観てみてください)

黒田総理を支える首相秘書官・井坂は
ディーン・フジオカさんが、
共に支える事務秘書官役は小池栄子さんが演じています。

政界を牛耳る官房長官・鶴丸大悟を演じるのは
『なつぞら』での好演も話題の草刈正雄さん。
総理と敵対する役どころです。

総理の妻・聡子役は、ほんわかした雰囲気が人気の
石田ゆり子さん。
どこかとぼけた役柄が素敵でした^^

他にも官邸料理人役には斉藤由貴さん、
米国大統領役には木村佳乃さん、
野党の政治家役には吉田羊さんなど、
実力派の女優さんが多数出演されています。
(中でも米国大統領はぶっ飛んだ役ですw)

謎のフリーライター・古郡を演じるのは
三谷作品常連の佐藤浩市さん。

さらに梶原善さん、寺島進さん、近藤芳正さん、迫田孝也さんなども
出演されています^^
出て来ると、お!キタキタ!と思ってしまいますよね~。

逆にディーン・フジオカさんや
警察官役の田中圭さんは
三谷さんの映画作品では新鮮な気がして、
なかなかいいなあと思いました。
特にディーンさんは、スマートな立ち振る舞いから
シリアスな作品だったり
真面目な役をよく演じられているイメージだったのですが
コメディーもいけるのか!と発見でした。

あとキャスター役の有働由美子さんと、
総理の義理の兄役のROLLYさんには驚きましたね!!!

ROLLYさん、あのミュージシャンのROLLYさんですよね…?
エンドロールまで気付かなかった…。
ちょっと自信なさげな議員役が、
とてもハマっていました!!


今作のテーマ

※これ以降、物語の結末に関する重大なネタバレが出て来ます。
これから観る予定の方はご注意ください!※


・人は本気になれば変わることができる

主人公の黒田啓介は史上最低の支持率のダメ総理。
自分にとって都合の悪いことは
「記憶にございません」としらばっくれる悪徳政治家です。
そんなウソのはずの発言が
真実になってしまったんですから、もう大変!笑

記憶喪失になったあとの黒田総理は
優し気で純粋な普通の「おじさん」で
政治に関することは何一つ覚えていない。

最初のうちは、自分には総理なんて無理!
と逃げ出そうとするのですが
秘書官に説得されたことで、変わろうと努力を始めます。

小学生時代の社会科の先生(山口崇)に
政治のことを一から教えてもらったり。
夫婦仲が冷め切っていた妻・聡子(石田ゆり子)と
よりを戻そうと努力してみたり。
国民の声に耳を傾け、政治に反映しようとしたり。
(まあ、今までどれだけひどい政治家だったんだ
とも思うのですがw)

上手くいかないながらも、
真っ直ぐに前へと進もうとする姿は
人間らしくていいですよね^^

そんな総理の姿は
理想の政治を掲げながらもとっくの昔に諦めていた
秘書官の井坂(ディーン・フジオカ)や、
熱い想いを秘めていた番場(小池栄子)をも変え、
総理たちは皆で正しい政治を取り戻そうと奮闘します。

総理の存在は、他にもたくさんの人たちを変えていきます。

結果、仲間からも国民からも支持される総理になり
妻ともよりを戻し、
息子の篤彦(濱田龍臣)からも
尊敬される父となります。

本気になれば、人は変わることができるんですね。
もしかしたら、悪く見える人だって
心の底ではいつも変わるための
きっかけを探しているのかもしれません。

黒田総理にとっては、たまたまそのきっかけが
国民が投げた石が頭に当たり、
記憶喪失になったこと、だったようで 笑

何が人を変えるきっかけになるかは
分からないものですね!


感想・見どころ


主人公は支持率最低の総理大臣
今作、予告編を見た瞬間から面白そうだなと思ってしまいました。
だって政治家が何かをはぐらかす時の嘘の決め台詞
「記憶にございません」が真実になってしまうなんて…!
(記憶喪失なんだから、本当に記憶にない…)
そんな設定よく思いつくなあと唸ってしまいます。
本編も予告から裏切られること無く、面白いお話でした!

実はみんな良い奴ばかり
三谷監督作品の特徴でもあるのですが
今作も、根っからの悪人はほぼ登場しません。
(官房長官の鶴丸は唯一悪役ではありましたが。)
捻くれていたり、少ししか登場しない脇役も
観ていると、実は熱い気持ちや芯があることが伝わって来て
最終的にはこのキャラも意外と好きだなあって
思わされてしまうんです。

そのため読後感というか、見終わったあとが
すごくスッキリした気持ちになるんですよね~。
観客に好きになってもらうため、
全てのキャラクターに見せ場の台詞やシーンが用意されているのが
三谷さんの脚本の凄いところだと思います。
自分はどの人物が一番好きかな~と探しながら観るのもいいんじゃないでしょうか。

綺麗な伏線回収とラスト
当たり前ですが、張った伏線を作品中で
綺麗に回収してくれています。

特にそれを感じたのは警察官役の田中圭さんの使い方。
冒頭で夜道を彷徨う総理に出会い、
ノリで「本物の総理なら俺をSPにしてよ!」と言う役です。
そのワンシーンだけの出演なのかなーと思っていたのですが、
後半でちゃんとSPになって再登場しましたw
ちょうど観客が存在を忘れかけたタイミングだったかと思うので
人物の使い方が上手いなあと思いました。

また息子の篤彦(濱田龍臣さん)との関係修復に関しても。
父親にかまって欲しいけど素直になれない息子が
総理の頑張る姿に心動かされ、
ラストでは「僕も政治家になりたい」と父である総理に伝えに来ます。
とても綺麗にまとまっていました。
息子にそう言われた時の中井貴一さんの表情がまた
すごく良かったんですよねえ…。

総理が記憶喪失になる原因となった頭に当たった石も、
想像していたより大きな約割を担っていたのですが…
それも終盤で分かります!
総理はそれを「国家機密だ」というのですが。
ああ、そういうことだったのか。と納得!と同時にスッキリ。
ぜひ劇場で確認してみてください!

まとめ

コメディー作品って、真面目な人物が
何かに一生懸命になればなるほど滑稽に見えてきて…
そのアンバランスな感じに対して
思わず笑ってしまう、というのが多いかなーと思うのですが。

この作品の主人公は「総理大臣」なわけで。
最も「お堅い」とか「真面目」という
イメージのある人物なんじゃないかと思うんですよね。

まずそこの職業のチョイスがいいなと思いますし、
そんな人が記憶喪失になって
一生懸命政治を頑張ろうとするけど上手くいかない…。
そんなの、面白くならないわけないですよね!

目の付け所がさすがだなーと思います。

ワタガシが映画館に行ったときは
シアター内は満席で
みんな上映中、声を出して笑っていました!

あ、みんな笑いに来てるんだなと感じたくらい。
雰囲気も良く、集中して観ているお客さんばかりのようでした。

笑うぞ!って意気込んで来た人を、
期待通りに笑わせる作品って、すごいですよね。

ハードルめちゃくちゃ高そうなんですが。。

そこを難なく超えてしまうんだから
やっぱり三谷さんの描く喜劇は
良いんだよなあと改めて思いました。

ちなみにエンドロールまで観て気付くだろう出演者の
天海祐希さんは、総理が行った定食屋さんの
TVに映っているみたいですよ!
普通に観てたら気付くわけない演出w

そんな小さなこだわりも、
三谷さんの世界を創り上げる為には外せないポイントなんでしょうね〜!

気になった方はぜひ、映画館に「笑いに」行ってみて下さいね^^


最後まで読んで頂き、ありがとうございました☁

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