【ダンスウィズミー】ネタバレ感想/chayの怪演は必見!ミュージカル嫌いにも寄り添うコメディー作

『ウォーターボーイズ』の矢口監督が、
自身初のミュージカルに挑んだ今作!『ダンスウィズミー』

「音楽が流れるとミュージカルスターになる」
という催眠術をかけられた女性が、
行く先々で騒動を巻き起こす、一風変わったミュージカル作品
です。

青春ものや、お仕事もので大ヒットを飛ばしてきた矢口監督。
そんな監督のミュージカルってどんな感じ?と思いながら観ましたが、

矢口監督が得意とするコメディー感や、
登場人物の親しみやすい魅力はそのままに、
きっちり歌って踊ってなミュージカルパートが
織り込まれたハッピーな作品になっていました!

しかもこの作品、
「ミュージカルが苦手」な人の多くが理由にあげる箇所が
自然に受け入れられるよう工夫されている
のです。

ミュージカル好きな人にも、ミュージカルが嫌いな人にも
観てもらえるようにと作られた作品。

たくさんの人に楽しんでもらいたい!という心意気が、
作品から伝わって来ました。

ミュージカルが苦手な人に対しての対策wについては
見どころで詳しく述べています。

物語の結末感想で書いていますので
良ければ最後まで読んでみて下さいね^^


あらすじ




一流商社で働く勝ち組OLで、幼いころの苦い思い出からミュージカルを毛嫌いする鈴木静香は、ある日、姪っ子と訪れた遊園地で怪しげな催眠術師のショーを見学し、そこで「曲が流れると歌って踊らずにいられない」という“ミュージカルスターの催眠術”にかかってしまう。
その日から、静香は街中に流れるちょっとしたメロディや携帯の着信音など、あらゆる音楽に反応するように。術を解いてもらおうと再び催眠術師のもとを訪れた静香だったが、そこは既にもぬけの殻。困り果てた彼女は、催眠術師の助手をしていた千絵とともに、催眠術師の行方を捜すが……。
映画.comより引用

キャストは…

♦ミュージカルにトラウマを持つ、勝ち組OL
 主人公の鈴木静香を演じるのは三吉彩花さん。

オーディションを勝ち抜き主演の座を射止めた彼女!
ハッピーに歌い踊る姿と、踊り終わったあとの
ムスッとした表情の落差が凄く良かったです 笑

♦静香に催眠術をかける、インチキ?催眠術師・マーチン上田
 ベテラン俳優の宝田明さんが

♦静香と共に失踪したマーチンを探す旅に出る
 元マーチンの助手兼サクラ!お調子者のフリーター・斎藤千絵
 お笑い芸人のやしろ優さんが

♦静香がマーチン探しを依頼した
 ずる賢い興信所の調査員をムロツヨシさんが

♦静香の憧れのイケメン上司(ただし嘘くさい笑顔)を
 三浦貴大さんが

♦静香と千絵が旅の道中で出会う
 ワケありなストリートミュージシャン役を
 シンガーソングライターのchayさんが演じています。

このchayさんの役柄、すっごく意外でした。
しかも一番ぶっ飛んでいたのでは…?
かなり印象に残りました。もちろん歌は上手いしね!

静香は高層マンションに住む勝ち組OLなのですが
同僚との感覚の差などから

自分にはこの環境が合っているんだろうか…と
少し疑問に思っています


服も化粧もバッチリ、良いマンションに住んで
会社でも憧れの上司に実力が認められて、、と
羨ましいばかりに見えるんですけどね~。

しかし催眠術にかかったことで
そんな静香の生活が一変していきます!



今作のメッセージ

今作のメッセージは
『自分にとって一番楽しいことを見つけよう』
ということではないでしょうか。

すごくシンプルではあるけれど、
現代社会で生きる上では意外と選ぶのが難しい「楽しいこと」

楽しいことだけやって生きていけたらそりゃもう最高!ですけど
なかなかそんな風にはいかないですよね~。
やりたい事とやっている事が合致している人って、
そんなに多くはないんじゃないでしょうか…。

給料がいいから興味はないけどやっているとか。
ライフワークの為に、ライスワーク(食べる為の仕事)をするとか。

それも間違いではないと思います。
「やりたいことだけをやらなきゃ人生損!」とか
綺麗ごとを言っても、お金がないと生活はしていけないですから。。(悲しい)

でもそんな折り合いをつけている生活の中で、
自分が本当に好きなこと、やりたいことを選ぶ覚悟ができると
人生はより豊かになるかもしれません!

今作の主人公の静香は、催眠術にかかり
変な仲間と旅をすることによって
自分でも予想していなかった「楽しいこと」を見出していくのです


☁結末は、感想部分に書いています!


見どころ

「突然歌い出す」を必然にした設定
ミュージカルが苦手な人が、その理由として挙げがちなのが
「唐突に歌ったり踊ったりし始めるのが意味わかんない!」ということ。

私はミュージカルが好きな方なので、
街中で突然歌い出し踊り出す人を見ても、
なんてハッピーなんだ!!と思うタイプなのですがw

苦手な人からしてみれば、
物語に入り込もうとしてるとこを無理やり邪魔されるような
違和感を覚えるのかもしれません。

でも今作は、その違和感を払拭する為に
音楽がかかるとミュージカルスターになるという催眠術にかかっている
という設定で、いきなり歌ったり踊ったりすることに
必然性を持たせています


突然流れ出す曲につられて、主人公は歌い踊り出すのですが
音楽が止んだ途端、主人公がもの凄く不機嫌そうな顔になるんですw
だって主人公自身もミュージカルが苦手だから

ミュージカルが苦手な主人公がミュージカルをするっていうのは
あまりない設定なんじゃないかなーと思います。

またこの映画、途中からはロードムービーにもなっていて
ちゃんと話が結末に向かって進んで行きます。
その点も分かりやすかったですね。

苦手な人にも歩み寄った設定が
今作の注目すべきポイントです!


既存曲を生かした展開
ミュージカルの必然性の続きにもなりますが、
今作はオリジナル曲が登場しません。
全て既存の曲を使用しています。

なぜなら、主人公は自分の意思とは関係なく
音楽がかかると歌い踊る催眠術にかかっているだけで
感情を音楽に乗せて吐露したりしないから!です。
だからオリジナル曲は生まれませんw

スマホの着信音 とか
レストランの店内BGM とか
車のラジオから流れる曲 とか

その場その場で偶然かかった曲に合わせて
歌い踊り、物語が進んでいきます


使われている曲は、
歌詞の内容も静香の気持ちに寄り添ったものばかり。

矢口監督が言うには、先に台本を作ってしまって
そこからシーンに合う曲を選んでいった
ようで。

既存の膨大な曲の中から
シーンに合うものを選ぶのって気が遠くなりそうな作業ですが。。
上手くハマっているんじゃないかと思いました!


タブーとオマージュ
今作では、ミュージカル映画のタブーも描いてしまっています!

それは、主人公が警備員につれていかれるシーンw

ミュージカル映画って、街中で堂々と歌い踊ってるのに
誰も捕まったりしないですよね!
そりゃそうです。捕まったら話が進まないからw
周囲の人も知らんぷりとか、なんなら一緒に歌い出すとかがありがち?

これがもし現実世界だと、
通行人を邪魔して歌い出す奴なんてただの狂った人じゃないですか。

でも矢口監督はそこさえもストーリーに取り入れてしまいました。

静香がレストランのシャンデリアにぶら下がり
歌うシーンがあるのですが、
翌日、レストランで大暴れした客がいたとニュースになっています。

ミュージカルにあるまじきリアルさですねw
ちょっと異色で面白い視点です。

一方で、ミュージカル好きな人がより作品を楽しめるような
有名作品のオマージュも。


マンションのエントランスでソファを倒すシーンは『雨に唄えば』
夜の公園で静香と上司が歌い踊るシーンは『ラ・ラ・ランド』を彷彿とさせ、
シャンデリアにぶら下がるシーンは『オペラ座の怪人』を意識?

ミュージカルに詳しい方ならもっと見つけられるのではないでしょうか!

ミュージカルが好きな人にも苦手な人にも
楽しんで欲しい、という作り手の気持ちが見えます。

感想

※これ以降、物語の結末に関する重大なネタバレがあります。ご注意ください※


♦物語の結末
静香に催眠術をかけたマーチン上田は、
借金取りから逃げるため「コーチン名古屋」と名乗り、
日本各地でマジックのショーをしていることが判明します。

そんなマーチンを捕まえる為、旅に出た静香と千絵でしたが
性格は合わないし、お金はないしで衝突しまくります…!

フリーターの千絵は
「スタジオを借りて何か教室を開こうと思っている。静香も一緒にやる?」
と誘いますが、現実的ではない誘いに静香はあきれ顔です。

そんな旅の道中では、
・タトゥーの男たちとダンス対決をすることになったり
・元カレに未練タラタラなストリートミュージシャンと
 結婚式に殴り込んだり
・ずる賢い調査員に見放されたり、
・千絵が男に騙されて、愛車を盗まれたり と…

様々なトラブルに巻き込まれますが、
最終的には北海道まで行き、やっとのことでマーチンを見つけ、
催眠術を解いてもらうことができました。


全てが元通りになり
元の日常に戻るかと思われた静香でしたが、

憧れの上司に誘われた昇進を蹴り、会社を辞め
共に旅をした千絵の元へ向かいます

千絵はスタジオでミュージカル教室を開こうとしているところでした。

勝ち組OLの生活を捨てた静香でしたが、
「好きな事」を選んだその表情はとても晴々としていました


実は元々、静香はミュージカルが好きだったのです!
舞台上で失敗をしてしまった経験から苦手になっていたようで…。

催眠術という荒療治ではありましたが、
子どもの頃の気持ちを思い出し、新たな一歩を踏み出すことができました。

ラストシーンは綺麗にまとまり、大団円を迎えます。
全部解決して良かったねえという感じの終わり方でした。

ちょっと綺麗にまとまりすぎているような気もしましたが、、
伏線を回収しきれないくらいなら、まとまってる方がいいかな。

また、ワタガシが矢口監督作品において好きな部分は
登場人物が皆、身近にいそうな人ばかりなところ!

友だちとか同級生とか同僚とか、
絶対こういう人いる!って思ってしまう。
しかも良い奴ばかりという訳ではなくて、何だか性格がひねくれてる奴も多い。

でも人間誰しも長所と短所がありますから。
リアリティがあって、共感しやすいですよねー。
そこを狙ってか、矢口作品の主人公の苗字は大抵「鈴木」なんですがw(本当です!)

今作もそこの部分はブレることなく、
魅力的な登場人物ばかりでした^^



帰り道、「自分にとって本当に好きなことって何だろう?」
と少し考えてみました。

主人公を見習って同じように好きなことをしろ、
というのは現実的ではないかもしれないですが
(だってお金は必要だし、
地位だってそれなりには大事ですよ…!?)

この映画が「自分って本当は何が好きだったんだろう?」と
再確認するきっかけになったらいいんじゃないかな
と思います。

ミュージカルとは、日常を生きている私たちが
また明日も頑張ろうという力を貰える
非日常を感じるためにあるものだと思います!

今作は根っからの悪い奴も出てこないし、
観るとちょっと気分転換になるような、優しい映画だと思いました。

あと一番良かったのは
chayさん演じるストリートミュージシャンが元カレの結婚式に出て
花嫁に殴り掛かるシーンw


思わず、うわぁ。。って声が出そうになりました。
だってそんなことしそうにないんだもん。
ワタガシ的には「♪あなたに恋をしてみました」を歌っている時の
ピュアなイメージしかなかったのですが、

元カレに未練タラタラで
恨みのこめられた表情が猟奇的で良かったですねぇw
ここ、必見です!!


終わりに

ふと、あんまり日本のミュージカル映画って見たことないなあと思って
調べてみると、『愛と誠』とか『舞妓はレディ』が出てきました。
でもあきらかに数が少ない…。

どうやら日本のミュージカル映画って
あんまり興行成績が良くないみたい
ですね~;;
う~ん、残念。

確かに私のイメージするミュージカル映画って
カラフルな電飾とかボリューミーなドレスとかが必須なのですが
ちょっと邦画のイメージの中にはないかも。

今作も洋画のような華やかさはそこまで感じられません。
ショーターイム!!!✨という感じではないんですよね。

まあ、それが邦画の良さと言えば
その通りなんですけど。

ミュージカルって登場人物の感情が高まった時に
歌とともに感情を放出するようなイメージなので、
日本人の察する、心で想うみたいな文化とも
ちょっと離れているのかもしれません。

でも舞台のミュージカルには
日本人キャストでも素晴らしい作品がたくさんありますよね!!
それを映像に落とし込むことができたら…
大ヒット作も夢ではないんじゃないでしょうか。

ミュージカル作品と言えば!と挙げられるような作品が
邦画からも出るといいですよね。


最後まで読んで頂き、ありがとうございました☁


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