【サバイバルファミリー】ネタバレ感想/矢口監督のSF作品!ほんの少しだけ成長する家族の絆の物語

今回は矢口史靖監督の
『サバイバルファミリー』をまとめます!

矢口監督と言えば
男子高校生のシンクロへの挑戦を描いた『ウォーターボーイズ』や
空港で働く人たちを題材にした『ハッピーフライト』など
数々のヒット作を世に送り出している監督ですね。

先日、最新作で自身初のミュージカル映画
ダンスウィズミー』も公開されました!
ワタガシはミュージカルも好きなので、観るのが楽しみです♪


『サバイバルファミリー』
ある日、世界から電気が消滅したら?
そんなありえないけど、もしかしたら…という状況を描いた
ある種のSF作品です。

ワタガシは矢口監督の作品が好きで、よく観ているのですが
今までとは少し、雰囲気の違う作品という印象を受けました。

情けない主人公一家の姿にクスッと笑いつつ、
「もし自分も同じ状況に置かれたら同じことが出来るだろうか…?」
と考えたり…。

でも観終わった後は、良かった〜という感想を持ちました^^

感想では映画の結末についても触れていますので、
気になる方は最後まで読んでみてくださいね☁


あらすじ




東京で暮らすごく平凡な一家、鈴木家。当たり前のように電化製品に囲まれた生活を送っていたある日、電気を必要とするあらゆるものがなぜか使えなくなり、東京は大混乱に陥ってしまう。
交通機関や電話、ガス、水道まで完全にストップした生活に人々が困り果てる中、鈴木家の亭主関白な父・義之は、家族を連れて東京を脱出することを決意するが……。
映画.comより引用

主人公の鈴木一家はごく普通の家族です。
でも一つ屋根の下に暮らしているのに、みんな違う方向を見ていて
家族の会話は必要最低限、あまりありません。。


♦仕事一筋で、家族の会話はそっちのけ。
 停電しても仕事の納期と、自分のカツラを心配しているw
 堅物な父親を演じるのは小日向文世さん。

♦のんびりしてそうだけど、ここぞと言う時には
 主婦魂全開でしっかりと家族を守る、
 母親役を深津絵里さんが、

♦家族とのコミュニケーションより、部屋にこもってパソコン。
 勉強より、片思いのあの子が今何してるか気になってしまう…
 少し地味な大学生息子を、子役出身の実力派俳優・泉澤祐希さんが、

♦停電しても、スマホとツケまつ毛が大事!
 学校の友だちとは、とりあえずノリを合わせとくけど
 実はLINEとか超面倒くさい〜…そんな今ドキ高校生の娘を
 朝ドラ「わろてんか」で主役を務めた葵わかなさんが演じています。

ざっくり特徴を書いただけでも
鈴木家がどこにでもいるような素朴な家族であり、
一方で、ひとクセある人物揃いなのが分かりますよね!笑

そんな鈴木家が住む東京で、ある日 大規模な停電が起こります。
停電の原因は不明、範囲も不明。いつまで続くかも分からない。。


鈴木家は自分たちの生活の為、東京から脱出することを決断します。


今作のテーマ

今作のテーマは
『世界から電気が消滅したら、あなたはどうする?』
ではないでしょうか。

そのまんまやないかい、ってツッコミましたか?笑

でも本当にこれに尽きるのではないかと。
普段便利な物が溢れすぎている私たちの生活。
電気が使えなくなったら?なんて考えることはほとんどないですよね。

いつも手にしているスマホはもちろん、
TV、冷蔵庫・電子レンジなどの電化製品、電車……
今作では、水、ガスや電池なども使えなくなってしまうんですが。
実際、電気が使えなくなったらどうなるんでしょうね。。

またこの映画の凄いポイントは
電気が使えない状況がずっと続く、というところです。

1日、2日、一週間くらいならなんとか暮らせるかもしれませんが、
1ヶ月、3ヶ月…先の見えない生活が始まります。

私たちがふと想像するにしても、3ヶ月など長期に及ぶところまで
考えてみた事のある人は少ないんじゃないでしょうか。。

映画の登場人物たちも、最初の頃は割とのんきに
「ま、今日くらいは電気なくても仕方ないか〜」という感じなのですが
復旧しない状況に段々と不安を感じ始めます。

・いざというときに、生きて行くためにはどうすればいいのか。
・そしてそういった鬼気迫る状況で、本当に信頼できるのは誰なのか。
・危機的状況下で再確認する家族のありかたとは。(これもテーマですね!)
そんなことを考えさせてくれる映画だと思います。

この作品は大筋では「鈴木家」の場合を描いているのですが
脇役で出て来る色んな人物の行動も大変興味深いです。


詳しくは事項にもまとめています!


見どころ

オールロケで撮影した意地
矢口監督は、この作品を全てロケで撮影したそうです。
ロケで撮れないのなら、やる意味がないとまで考えていたそうですね…!

ありえない状況なのに、どこかリアリティを感じられるのは
そのこだわりがあったからではないでしょうか。

個人的にいいなと思ったのは
♥高速道路に自転車で乗り込む鈴木一家のシーン
です。

電気が使えなくなった鈴木一家は東京での生活を断念して
九州で自給自足生活を送る、祖父を訪ねる事にします。
移動手段は、まさかの自転車…!

東京⇒九州の移動なんて
おしりが痛くなりそう〜とか思ってしまいますが 笑

車が使えなくなっているので、危険ではないと分かりながらも
不安げな顔で高速に入る父親…。
対照的に、清々しい顔でグングン自転車を漕いで行く娘!

確かに、普段車でしか入れない高速道路を進むなんて、
非常事態でも、ちょっとテンションが上がる気持ちが分かるような…。

他にも、♥野ブタとの格闘シーン
♥激流を渡るシーンなども、俳優さんの力も相まって
すごく迫力がありました!!!

これらのシーンも実際に俳優さんが、本物のブタ(!)
本物の川で演じられているので必見です!


「鈴木家」以外の人々
この作品のメインは、もちろん「鈴木家」なのですが
停電下に置かれた東京や他の人々の姿も描かれています。

例えば、
稀少になった飲料水を高額で売り始めるコンビニ。
長旅をする人の増加を見込んで、宿泊代を高額に設定するホテル。

また、米屋の女主人は物々交換でお米を売り始めます。

ただ、物と言ってもブランド物の時計や車、毛皮はダメです。
自分たちが生きて行く為に必要なもの、
「水や食べ物としか交換しない!」と言うんですね。

なるほどな〜と唸りました。
確かに、緊急時にブランド腕時計は
腹の足しにはならないですもんね…。

また、危機的状況を逆に楽しんじゃおう!という家族も出て来ます。

鈴木家が高速道路で出会った、アウトドア好きな家族は
高速道路上にテントを張って休憩しており、全く苦しんでいる感じがしない。
外見もスタイリッシュで、きゃっきゃしてるんです。笑
(ボロボロな鈴木家とは対照的です!)

そんな姿に妻も息子も娘も、憧れの眼差しを向けたりして…
真面目な父親にしてみたら腹が立ちますよね〜!笑

でもリアルな世界でも、こういう人いそう〜!!
って思っちゃいました。

脚本の目の付け所と想像力は、さすがだなと思います。


家族のささやかで大きな成長
最初は別々の方向を向いていた鈴木家でしたが、
過酷な状況で生き抜く為、手を取り合ううちに
本当の家族の姿を取り戻します。

停電前、東京で暮らしていた頃の鈴木家は―—

母親は実家から送られて来た生魚を捌けずゴミ箱に。
父親は家族のことには無関心で、娘はそんな父を「じじい」と呼んでいたし
息子は夕食にジャンクフードを一人で食べていて、
家族揃って食卓を囲む姿も見られませんでした。
「いってきます」の言葉もなく、出勤・通学していく姿も印象的でした。
(なかなかひどいですね。。笑)

そんな一家がどう変わったのか!?


大きな変化ではないかもしれないのですが、
最後には確実に家族の関係が変わった部分が描かれていて、
4人で旅をしたことには意味があったんだなあ…と
胸にグッとくるものがありました。

変化の詳細は結末のネタバレになるので、感想でまとめています^^


感想

※これ以降、物語の結末に関する重大なネタバレがあります。ご注意ください※


鈴木一家は旅を続け、無事九州にたどり着きます。
結局九州でも電気が使えず、祖父と一緒に自給自足の生活を送っていたのですが
ある朝、唐突に電気が復旧します。

原因は世界規模の太陽フレアだったのではないかと
ニュース番組でアナウンサーが伝えていますが、
停電中の記録は残っていないので、明確な原因は分からないようです。

この復旧の日までに、なんと2年ほどの歳月が流れていました!

その後、東京の元の住まいに戻った鈴木一家が映りますが
まるで2年がウソであったかのように、元通りの生活をしていて
なんだったんだ、あの冒険の日々は…と一瞬思うのですが。。

よく見ると、
台所に立つ母は生魚を躊躇することなく捌こうとしています。

ジャンクフードやインスタント食品を食べていた
子どもたちは、学校に母親手作りのお弁当を持って行きます。
もちろん外出前には「いってきます」の挨拶も。

小さなことでイライラしていた父親は、カツラをつけることをやめw
自転車通勤を始めました。

命の大切さ、家族の大切さを知った気持ちの変化が
台詞で説明されなくても、一家の行動から読み取れました。


家族がみんな、穏やかな表情になっているのも印象的でした。
これは役者さんたちの凄さかもしれません。

その表情を見て、本当に良かった〜〜って思いました。

私が好きだなと思ったのは、このさりげない家族の成長。
たぶん、これから皆で行動を変えて行こう!なんて
話合いをしたわけではないと思うんです。

生きる為の旅を通して、大切な物が何なのか気付き、
ごく自然に行動が変化したという気がしました。
そんな風に伝わってくるささやかな描写が、すごく好みでした!


この作品、華やかなシーンはなかったし
音楽もほとんど流れなかったと思うんですね。
たぶんそれも、観客にリアルさを与えるための
あえての演出なんじゃないかと思うのですが。

しっとりと流れて行くエンドロールを見つめながら
SFなのに、なんだか凄く現実味を感じたのです。

ありえないのにリアリティがある…上質のエンタメ作品だったと思います。

終わりに

エンドロールが流れた後、なんだか不思議な気持ちになりました。

家族の温かさに心が潤ったのと同時に、
いつ起こるか分からない、災害現象に不安を感じたからでしょうか。


観客に普段の生活では考えないような事を
問題提起してくれるのは、映像作品の凄いところだと思います。

とりあえず、近々自転車を買おうと決めました!
鈴木家は九州まで自転車を漕いで行ったわけですからね。
自転車、すごい便利じゃん!!と今更思ったのですがどうでしょう?

この映画を観た多くの人が、共感してくれると信じています 笑

青春ものからSFからミュージカルまで…
矢口監督の作品の幅の広さ、凄いと思います✨
興味を持って下さった方がいれば、ぜひ観てみて下さいね!


最後まで読んで頂き、ありがとうございました☁

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